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コラム

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2026.10.22
コラム
相続した実家をどうするか考え始めたとき、「家が古い」「荷物が多い」「家族が今も住んでいる」など、いくつもの問題が重なっていることがあります。 今回は、ご兄妹で相続した築古住宅を、残置物を整理し、建物を解体したうえで土地として売却した実例をご紹介します。 家の中には家具や家電などの荷物が大量に残り、いわゆる「ごみ屋敷」のような状態になっていました。 さらに、相続人の一人である娘さんが同居しており、転居に必要な費用を用意することも難しい状況でした。 残置物の処分、建物の解体、売却、売却後のお金の整理、司法書士の紹介まで、一つずつ順番に進めています。 「相続した家を売りたいけれど、何から手をつければいいのか分からない」 そんな方の参考になればと思います。 相続した家が「売りにくい状態」でも、まずは状況整理から 今回のご相談内容 相続されたのは、築年数の古い一戸建てです。 ご兄妹で相続されたものの、家の中には長年の生活で残った家具や家電などが大量にあり、片付けが必要な状態でした。 さらに、相続人の一人である娘さんが、その家で生活を続けていました。 ただ、転居先を探すにも、引っ越しをするにも費用がかかります。 すぐに転居費用を用意することが難しく、「家を売りたいけれど、先に家を空けることもできない」という状況でした。 そこで初回のご相談では、物件の状態だけでなく、ご家族の状況も伺いながら、売却までに必要なことを整理しました。 最初に整理した4つの課題 今回のケースでは、主に次の4つが課題になりました。 同居している娘さんの転居 大量に残っている荷物の処分 建物を解体して土地として売却すること 売却後のお金の整理と相続に関する手続き 「相続した家を売る」といっても、物件だけを見れば済むとは限りません。 誰が住んでいるのか、荷物をどうするのか、建物を残すのか解体するのか、相続人同士でどのように進めるのか。 一つずつ整理していくことで、次にやることが見えてきます。 【実例】ごみ屋敷状態の築古住宅を解体して売却 今回のケースでは、売却そのものだけでなく、売却するための準備から一緒に進めました。 同居していた娘さんの転居費用が課題に 最初に課題になったのは、同居していた娘さんの転居でした。 売却するには、基本的に住宅を空ける必要があります。 しかし、転居先を探すにも、引っ越しをするにも、まとまった費用が必要です。 「引っ越すためのお金がない。でも、家を売らないとそのお金も用意できない」 という状態でした。 このような場合、「先に引っ越してください」とお願いするだけでは話が進みません。 そこで、売却までの流れを整理し、引渡しの時期を転居の準備に合わせながら進めました。 不動産売却では、物件の状態だけでなく、実際に住んでいるご家族の事情まで含めて考える必要があります。 大量の残置物を整理し、建物を解体 次に必要だったのが、家の中に残っていた大量の荷物の処分です。 家具や家電などが大量に残っていると、相続人だけで片付けるのは大きな負担になります。 特に、遠方に住んでいる相続人の場合は、何度も現地へ通って整理することが難しいケースもあります。 今回は、残置物の処分を依頼できる業者を手配し、売却に向けて家の中を整理しました。 建物については、解体して土地として売却する方向で進めました。 解体費用を確認し、土地としての売却見込みと比較しながら、手元に残る金額も考えて判断しています。 ただし、築年数が古いからといって、必ず解体しなければならないわけではありません。 建物を残したまま売却する方法もあります。 土地の立地や広さ、建物の状態、解体費用、周辺の需要などを見ながら、その物件に合った売り方を考えることが大切です。 売却後のお金の整理と司法書士の紹介 ご兄妹で相続した不動産だったため、売却後のお金についても整理が必要でした。 誰がどの持分を取得するのか、遺産分割の内容はどうなっているのかなど、相続の状況を確認しながら進めます。 売却代金の分け方については、相続人同士で話し合って決めていただき、不動産会社は確認が必要な点の整理をお手伝いしました。 また、相続登記などの法的な手続きは、不動産会社だけで完結できるものではありません。 今回は、必要な手続きを相談できる司法書士をご紹介しました。 相続登記は2024年4月1日から申請が義務化されています。 相続によって不動産を取得したことを知った日から、原則として3年以内の申請が必要です。 なお、2024年4月1日より前に発生した相続も義務化の対象となっており、ケースによっては2027年3月31日までが期限となります。 相続した不動産を売却するときは、売却そのものだけでなく、名義や相続関係についても確認しておきましょう。 ✓ポイント 相続不動産の売却では、残置物、転居、解体、相続登記などが同時に問題になることがあります。 すべてを相続人だけで解決しようとせず、必要なところは専門家や業者につなぎながら進める方法もあります。 出典: 法務省「相続登記の申請義務化に関する概要資料」 建物を残して売る?解体して売る? 相続した築古住宅では、「解体したほうが高く売れるのでは?」と考える方もいます。 ただ、解体費用をかければ必ず手元に残る金額が増えるとは限りません。 建物の状態、土地の広さや形状、接道状況、周辺の需要などによって、合う売り方は変わります。 建物を残して売るケース 建物にまだ利用価値がある場合は、建物付きの土地として売却できる可能性があります。 リフォームやリノベーションを前提に購入する方が見つかることもあります。 築年数だけで「解体するしかない」と決めず、建物を残した場合の売却可能性も含めて検討します。 解体して土地として売るケース 建物の老朽化が進んでいる場合や、土地として売ったほうが買い手を探しやすい場合は、解体を検討します。 その場合は、次のような順番で考えると整理しやすくなります。 土地としていくらくらいで売れそうか 解体費用はいくらか 解体した場合、手元にどのくらい残りそうか 「古いから解体」ではなく、売却価格と解体費用のバランスを見ながら判断します。 解体するときに確認しておきたいこと 建物を解体する場合は、売却価格だけでなく、その後の手続きや税金についても確認しておきましょう。 固定資産税 建物を解体すると、土地の住宅用地に対する税の軽減措置を受けられなくなる場合があります。 解体する時期によっても影響が変わるため、市区町村などに確認しておくと安心です。 建物滅失登記 建物を解体した後は、建物がなくなったことを登記する手続きが必要です。 具体的な手続きについては、土地家屋調査士などの専門家に確認します。 共有名義の場合 ご兄妹など複数の相続人で共有している不動産を売却する場合は、共有者それぞれの確認や手続きが必要になります。 岡山で相続したごみ屋敷・築古住宅を売却するときに確認したいこと 相続した家が「荷物が多い」「古い」「誰も管理できない」といった状態でも、すぐに解体や売却を決める必要はありません。 まずは、現在の家の状態と相続関係を確認してみましょう。 相続登記は済んでいる? 売却を考えるなら、まず不動産の名義を確認します。 相続登記が済んでいない場合は、司法書士などに相談しながら必要な手続きを進めます。 相続人が複数いる場合は、誰がどのように相続したのか、遺産分割の内容も確認しておきましょう。 残置物はすべて自分で処分する? 家具や家電が残っていても、「全部自分たちで処分してから不動産会社に相談」という順番でなくても構いません。 売却方法によって必要な準備は変わります。 先に不動産会社へ相談し、どこまで片付ける必要があるのかを確認してから動く方法もあります。 相続した空き家に使える税の特例もあります 相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除」を利用できる場合があります。 現在の制度では、一定の要件を満たす場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。 相続人が3人以上の場合は、最高2,000万円となる場合があります。 制度の適用期限は2027年12月31日までです。 ただし、相続前の居住状況や相続後の利用状況、売却方法、売却時期など、細かな要件があります。 今回のように相続人が同居していたケースなど、個別の事情によっては対象にならない場合もあります。 利用できるかどうかは、不動産会社だけで判断せず、税務署や税理士などに確認しましょう。 出典: 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 ✓ポイント 相続した家は、「売る・貸す・残す」だけでなく、「建物を残すか、解体して土地として売るか」まで含めて考えると、選択肢を整理しやすくなります。 すぐに売却を決めるのではなく、まず現在の家の状態や相続関係を確認するところから始めても大丈夫です。 片付いていない状態でも、相談して大丈夫です 相続した家について、こんな状態で悩んでいませんか? 長年誰も住んでいない空き家 家具や家電が大量に残されたままの家 庭木が伸びたままになっている家 ごみや荷物が多く、自分たちだけでは片付けられない家 相続したものの、ご兄弟で進め方が決まっていない家 家族の一人が住んでいて、すぐには空けられない家 今回のように、家族の一人が住んでいて、転居費用の問題まで抱えているケースもあります。 だからこそ、最初から「売却する」と決めて準備する必要はありません。 「家をどうしたらいいのか知りたい」 「解体したほうがいいのか分からない」 「荷物が多すぎて手をつけられない」 「相続人同士でどう進めればいい?」 そんな段階で、一度状況を整理してみるだけでも大丈夫です。 タークス不動産では、岡山の不動産売却について、現在の物件の状態やご家族の状況を伺いながら、売却方法と必要な準備を一緒に整理しています。 必要に応じて、残置物処分、解体、司法書士など、売却に関わる専門家や業者にもおつなぎします。 「売るかどうか、まだ決めていない」 そんな段階でも大丈夫です。 解体したほうがいいのか、残置物はどうするのか、今すぐ売るべきなのか。 分からないことを一つずつ確認しながら、今の状況に合った進め方を考えていきます。 LINE相談、無料査定、問い合わせフォームからご相談いただけます。
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2026.09.28
コラム
不動産の相続では、相続した物件だけでなく、 「室内に残された家具や家電をどうすればいいのか」「思い出の品をどう整理すればいいのか」 「高齢の親だけで売却手続きを進められるだろうか」といった問題が出てくることがあります。 今回ご紹介するのは、娘様がお亡くなりになり、高齢のお母様がマンションを相続されたケースです。 マンションの売却にあたって室内に残された家具や家電、絵画などの整理も必要となり、買取業者に確認しながら買取できるものと処分するものを整理し、売却に向けた準備を進めました。 タークス不動産では、単にマンションの査定や販売活動を行うだけでなく、お客様の状況に合わせて、売却までに必要となるさまざまなことについてもサポートしています。 今回のご相談|娘様から相続したマンションをどうするか 今回ご相談いただいたのは、亡くなられた娘様がお住まいだったマンションを、高齢のお母様が相続されたケースです。 大切なご家族を亡くされたばかりの中で、不動産の相続手続きや売却について考えなければならないことは、精神的にも大きな負担になります。 さらに、マンションの室内には、娘様が生活されていた際の家具や家電など、多くの家財が残されていました。 中には絵画など、価値のあるものも多数あります。 「売却するなら、まず部屋の中を全部片付けなければいけないのでは?」 そう考える方も少なくありません。 しかし、残されたものをすべて一律に「不要品」として処分してしまうのは、必ずしも適切とは限りません。 価値のあるものについては買取という選択肢があるため、買取できるものと処分が必要なものを、プロの目も交えて仕分けすることが大切です。 相続したマンションを売却する前に確認したいこと 相続したマンションを売却する場合、一般的にはいくつか確認しておきたいことがあります。 まず重要なのが、相続人と相続財産の確認です。相続人が複数いる場合は、誰が対象の不動産を相続するのかを整理し、売却について相続人間で認識を合わせておく必要があります。 また、相続した不動産を売却するためには、原則として相続登記を行い、相続した方を不動産の登記名義人にしておく必要があります。 2024年4月からは相続登記の申請が法律上の義務となり、不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。 正当な理由がないにもかかわらず申請を怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる場合があります。 相続登記の義務化については、法務省の「不動産を相続したらかならず相続登記!」でも詳しく案内されています。 出典:法務省「不動産を相続したらかならず相続登記!」 税金の面では、相続した不動産を売却した場合、一定の要件を満たすことで、納めた相続税の一部をその不動産の取得費に加算できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」があります。 この特例は、相続や遺贈によって取得した土地・建物などを一定期間内に売却し、かつ、その相続について相続税が課税されている場合など、所定の要件を満たした場合に適用されます。 マンションについても、土地・建物に該当する部分について対象となり得ます。 適用には細かな要件があり、確定申告も必要となるため、実際に利用できるかどうかについては、税理士などの専門家へ確認することをおすすめします。 制度の詳しい内容については、国税庁の「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」をご確認ください。 出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」 そのほかにも、マンションの場合は管理費や修繕積立金、固定資産税など、所有している間に発生する費用についても確認しておくとよいでしょう。 そして、忘れてはいけないのが「室内の荷物」です。 相続したマンションを売却する場合、家具や家電などの残置物(部屋に残されたままの家財のことです)をどうするのかという問題が出てくることがあります。 残置物は「すべて処分」ではなく、まず整理することが大切 今回のケースでは、室内に家具や家電、絵画などさまざまなものが残されていました。 こうした残置物の整理では、最初からすべてを処分するのではなく、 買取できるもの 処分が必要なもの ご家族で保管するもの 思い出の品として残しておくもの などに分けて考えることが大切です。 特に、絵画やブランド品、家具、家電などは、品物によっては買取の対象となる場合があります。 「これはもう古いから価値がないだろう」と自己判断して処分してしまうと、後から「売れるものだった」と分かることもあります。 そのため、残置物が多い場合には、買取業者に確認しながら整理を進める方法があります。 今回も、室内に残されていたものを買取業者に確認しながら、買取できるものと不要品を整理し、売却に向けた準備を進めました。 高齢のお客様だからこそ、一度にすべてを進めない 今回の売却で特に大切にしたのが、お客様の負担をできるだけ減らしながら進めることでした。 お母様は高齢であり、娘様が残されたマンションの中にある多くの家財を一度に整理することは、決して簡単なことではありません。 そこで、必要な確認を行うために何度も現地へ足を運び、都度お客様と連絡を取りながら、家財の仕分けから買取業者・処分業者への依頼まで一つひとつ進めていきました。 たとえば、絵画については専門の買取業者に見てもらい、価値が分かってからご家族で残すか手放すかを判断していただくなど、判断に時間がかかる品物ほど急かさずに進めることを意識しました。 不動産売却というと、「査定をする」「媒介契約を結ぶ」「販売する」「契約する」という手続きに目が向きがちです。 しかし、実際の現場では、お客様によって売却までに必要となるサポートは大きく異なります。 特に相続による売却では、ご家族が亡くなられた直後であったり、相続人が高齢であったり、遠方に住んでいたりするなど、さまざまな事情を抱えているケースがあります。 こうした事情がある場合には、不動産の売却手続きだけを進めるのではなく、「今、お客様に何が必要なのか」を考えながら進めることが重要だと考えています。 相続不動産の売却では「片付け」も大きな負担になる 相続した不動産を売却する際、多くの方が悩まれるのが室内の片付けです。 特に、ご家族が長年暮らしていたマンションや戸建ての場合、家具や家電だけでなく、衣類、食器、書籍、写真、趣味の品など、大量の荷物が残されていることがあります。 ご家族だけで片付けようとすると、時間も体力も必要です。 また、思い出の品が多い場合には、「何を残して、何を処分するのか」を決めること自体が精神的な負担になることもあります。 そのため、相続した不動産の売却を検討する際には、 「不動産の査定はいくらになるのか」だけではなく、 「室内の荷物をどう整理するのか」 「買取できるものはあるのか」 「処分が必要なものにはどのくらい費用がかかるのか」 というところまで、早めに考えておくことをおすすめします。 相続したマンションを売却する一般的な流れ 相続したマンションの売却は、一般的には次のような流れで進めます。 相続人・相続財産を確認する まずは誰が相続人なのか、対象となる不動産が何なのかを確認します。 相続登記を行う 不動産を売却するためには、相続登記が必要となるケースがあります。 前述のとおり2024年4月から申請が義務化されているため、まだ済んでいない場合は早めの対応が安心です。 相続登記については司法書士などの専門家へ相談すると安心です。 不動産会社へ査定を依頼する マンションの立地や築年数、専有面積、室内の状態、周辺の売却事例などをもとに査定を行います。 査定価格だけでなく、「どのような販売方法で売却するのか」についても確認しておくとよいでしょう。 室内の残置物を整理する 家具や家電などを整理し、買取できるものと処分するものを分けます。 必要に応じて、買取業者や不用品処分業者などと連携しながら進めます。 売却活動を開始する 室内の整理など売却に必要な準備が整ったら、販売活動を開始します。 買主様との契約・決済 購入希望者が決まったら売買契約を締結し、決済・引渡しへと進みます。 なお、実際の手続きは相続関係や物件の状況によって異なります。 相続した不動産は「早く売る」だけが正解ではありません 相続したマンションについて、「できるだけ早く売ったほうがいいのでは?」と考える方もいらっしゃいます。 もちろん、空室のまま所有し続けることで管理費や修繕積立金、固定資産税などの負担が続く場合があります。 一方で、ご家族が亡くなられた直後など、気持ちの整理がつかない状態で無理に売却を進める必要があるとは限りません。 大切なのは、相続人の状況や不動産の状態を確認しながら、必要な手続きを一つずつ進めていくことです。 特に高齢の方が相続された場合には、「売却するかどうか」だけではなく、「誰が手続きを進めるのか」「室内の荷物をどうするのか」なども含めて考える必要があります。
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2026.09.08
コラム
岡山市内で借地権付きの不動産を相続し、「地主の許可がなければ売れないのではないか」「そもそも何から切り出せばいいのか」と手が止まっている方は少なくありません。結論から申し上げると、借地権付き物件は手順と交渉の順番さえ間違えなければ売却できる資産です。売りにくいと言われるのは、権利そのものに価値がないからではなく、多くのケースで地主の譲渡承諾という関門が一つ挟まるためにすぎません。株式会社タークス不動産にも「相続したものの地主と面識すらない」というご相談が届きます。契約内容を整理し、地主側の利点まで用意したうえで話し合いに臨んだ結果、承諾が短期間で得られたケースもありました。この記事では、岡山市で借地権付き物件が売却しにくい理由から、地主との具体的な交渉術、承諾が得られなかった場合の打ち手までを順を追って解説します。 1. 岡山市の「借地権付き物件」が売却しにくい理由 借地権付き物件が「訳あり」として敬遠されるのは、権利関係の複雑さと市場側の事情が重なっているためです。土地そのものの所有権ではなく、借地上の建物と、その敷地を利用するための借地権をあわせて譲渡する取引になるので、通常の一戸建てと同じ感覚で進めようとすると、どこかで必ず話が止まります。まずは、つまずきやすいポイントを順に押さえておきましょう。 まず自分が相続した「権利の種類」を確認する 出発点は、権利の中身を見極めることです。ひと口に借地権といっても、「土地賃借権」と「地上権」では売却時の扱いが大きく異なります。一般的な土地賃借権の場合、借地上の建物とともに賃借権を第三者へ譲渡するには、原則として地主の承諾が必要です。一方、地上権は物権であり、原則として地主の承諾なく譲渡できるとされています。国税庁も両者を区分して整理しており、実務でも最初に確認すべき事項に位置づけられます。相続した物件がどちらに当たるかは、契約書の記載と登記事項証明書で判断できるため、交渉に入る前に必ず確かめてください。 土地賃借権の場合、売却に「地主の譲渡承諾」が必要となるため 土地賃借権であれば、承諾を飛ばして進めるわけにはいきません。民法612条により、賃借人は貸主の承諾なく賃借権を譲渡できないと定められており、無断で譲渡した場合には契約を解除されるおそれがあります。借地契約そのものが解除されてしまえば、建物の価値まで失いかねません。相続直後は地主への挨拶すら済んでいない段階であることが多く、この一手間を省きたくなる気持ちも理解できます。とはいえ承諾の取得は、買主にとっても取引の安心材料になる工程です。 買主の住宅ローンの選択肢が限られやすいため 借地権付き物件は、買主側の資金調達が難所になりがちです。土地に抵当権を設定できないぶん担保評価が下がり、審査が慎重になる傾向があります。抵当権設定にあたって地主の承諾書を求められる場合もあり、必要書類は金融機関や融資商品、借地権の種類によって変わってきます。所有権物件に比べて利用できる金融機関や融資条件が限定されることがあり、結果として買主候補が少なくなる場合がある、という理解が実態に近いでしょう。所有権の物件と並べると、次のような違いが見えてきます。 比較項目 所有権の物件 借地権付き物件 売却時の第三者の同意 不要 土地賃借権なら地主の譲渡承諾が必要 買主の住宅ローン 利用しやすい 金融機関や借地条件によって審査・必要書類が異なる 主な買主層 一般の実需層が中心 実需層のほか、現金購入層や専門業者も想定 保有中のコスト 固定資産税など 地代・更新料・建替承諾料など 売却までの期間 比較的読みやすい 交渉次第で長期化しやすい 岡山市の地価水準や借地権割合で資産価値の評価が分かれるため 同じ岡山市内でも、借地権の評価は場所によって差が出ます。一般的な借地権の相続税・贈与税評価では、自用地としての価額に地域ごとの借地権割合を掛けて算出し、この割合は国税庁の路線価図に記号で示されています。一方、定期借地権等は残存期間などを踏まえた別の評価方法が定められており、同じ計算式は使いません。岡山駅周辺のような商業性の高いエリアと郊外の住宅地とでは、同じ面積でも数字が変わってくるわけです。あわせて押さえておきたいのが、この割合が税務上の評価に用いる基準だという点。実際の売買価格がそのまま借地権割合どおりになるとは限りません。査定を受ける際は、税務評価と市場価格を分けて考えてください。 ✓ポイント:売却しにくい原因は「権利の種類」「融資」「評価」の三つに整理できます。裏を返せば、自分の権利が土地賃借権か地上権かを見極め、買主候補の幅を現実的に見積もり、税務評価と市場価格の差を理解しておけば、売却の道筋は十分に描けるということです。相続直後にこの三点を確認しておくと、その後の判断が驚くほど楽になります。 出典:地上権、土地の賃借権、使用貸借権の区分|国税庁 出典:No.4611 借地権の評価|国税庁 2. 借地権を売却するために押さえるべき地主との交渉術 地主との交渉は、感情面の説得よりも準備の質で決まります。地主にとって借地権の譲渡は、長年付き合ってきた相手が見ず知らずの他人に変わる出来事であり、慎重になるのが当然だからです。逆に言えば、不安材料を先回りして潰しておけば、話はぐっと進みやすくなります。 切り出す前に契約内容と残り期間を正確に把握する 交渉の第一歩は、書類の確認からです。契約の設定時期によって、適用されるルールが変わります。1992年8月1日より前に設定された借地権では、契約更新など一定の事項について旧借地法のルールが引き続き適用されます。現行の借地借家法による借地権とは、存続期間や更新、建替え時の扱いが異なる場合があるため、設定時期の確認は欠かせません。相続したご自宅の押し入れから契約書が出てこないという相談も多いのですが、その場合は地代の領収書、固定資産税の課税明細、法務局の登記事項証明書などを手がかりに、次の項目を洗い出していきます。 借地権の種類(土地賃借権か地上権か、普通借地権か定期借地権か) 契約の設定時期と、適用される法律 契約の始期・存続期間と、残り年数 地代の金額、支払方法、直近の改定時期 更新料や建替承諾料に関する取り決めの有無 建物の登記名義が被相続人のままになっていないか 建物の登記名義が被相続人のままの場合、買主へ直接名義を移すことはできません。売却して所有権移転登記を行うには、原則として先に相続登記を済ませる必要があります。相続登記は2024年4月1日から義務化され、それ以前に発生した相続も対象です。この場合は原則として2027年3月31日までの対応が求められるため、売却を検討するかどうかにかかわらず、早めに手続きを進めてください。 譲渡承諾料(名義変更料)の考え方を理解して条件を提示する 譲渡承諾を得る際には、承諾料の支払いが慣行となっています。ここで注意したいのが、金額に法律上の一律の料率は存在しないという点です。実務では借地権価格の10%前後が一つの目安として紹介されることがあるものの、契約内容、地域事情、これまでの借地関係の経緯によって金額は変わります。借地非訟の手続きにおいても、鑑定委員会の意見などを踏まえて個別に判断されるため、「必ず10%」と決めてかかる考え方は避けたほうが賢明です。大切なのは金額そのものより提示の仕方でしょう。相場観を持たないまま地主の言い値を受け入れれば手取りが想定を下回りますし、根拠のない値切りは関係を損ねるだけ。売却予定価格と承諾料の考え方をセットで示せる状態を作っておくことが、結果的に交渉を短縮します。 地主側のメリットを示して合意を促す 承諾を「お願い」で終わらせず、取引として組み立てる姿勢が効きます。地主にとっての利点を具体的に用意できれば、判断の材料が増えるからです。たとえば次のような提案が考えられます。 長年据え置かれてきた地代を、周辺相場に合わせて見直す 底地の買い取り希望者がいる場合、その情報をあわせて共有する 資力が確かな買主を選び、地代の支払いが滞らない見通しを示す 契約条件のあいまいな部分を、この機会に書面で整理し直す 地主の側も、高齢化や相続を控えて底地の扱いに悩んでいることが少なくありません。売却の相談が、双方にとって権利関係を整理する好機になる場面を、私たちも何度も見てきました。 ✓ポイント:交渉の成否は、話し合いの席に着く前にほぼ決まります。契約書と登記を整え、承諾料の考え方を理解し、地主にとっての利点まで準備した状態で臨めば、承諾はぐっと現実的になるはずです。書類が揃わないうちに口頭で打診してしまうと、条件面で後から不利になりやすいため、順番を守ってください。 出典:相続登記の申請義務化について|法務省 出典:第2 借地非訟事件手続の流れ|裁判所 3. 地主から売却の承諾が得られない場合の対処法 承諾が得られなくても、そこで終わりではありません。借地借家法は、借地人が建物への投資を回収できるよう複数の出口を用意しているからです。実務では、話し合いで解決する道を先に探り、最後の手段として法的な手続きを検討する流れが一般的でしょう。 「底地」とあわせた一括売却を提案する もっとも建設的なのが、借地権と底地をまとめて第三者に売る方法です。両方の権利が一つになれば完全な所有権となり、市場での評価が上がりやすくなります。別々に売るより総額が大きくなりやすく、地主と借地人の双方に金銭的な利点が生まれる点が最大の魅力といえます。ただし配分の考え方には注意が必要です。一括売却の代金配分は、双方の権利内容や実勢価値、契約条件などを踏まえて地主と借地人の間で決めるものであり、路線価図の借地権割合は相続税・贈与税評価の指標にすぎません。その割合で機械的に分けるものではない、という前提を共有したうえで話を始めてください。地主が底地の相続対策を気にしている場合には、この提案が突破口になることも多いはずです。 地主自身に借地権を買い取ってもらう 地主に資力があり、土地を自分で使いたい意向があるなら、借地権の買い取りを打診する手もあります。第三者への譲渡と違い、承諾の可否を気にする必要がありません。手続きも比較的早く進みます。ただし、買主の競合がいない状態での価格交渉になるため、相場より低い提示を受けやすい傾向があります。ほかの選択肢と比較したうえで、金額の妥当性を冷静に見極めたいところです。 裁判所の「借地権譲渡の代諾許可」を申し立てる 話し合いが決裂した場合の手段が、借地非訟と呼ばれる手続きです。借地借家法19条により、第三者が賃借権を取得しても地主に不利となるおそれがないにもかかわらず承諾が得られないときは、裁判所が地主の承諾に代わる許可を出せると定められています。判断にあたって裁判所は、買主候補の資力や信用だけでなく、賃借権の残存期間、これまでの借地関係の経過、譲渡を必要とする事情など、一切の事情を総合的に考慮します。あくまで第三者への譲渡を可能にするための制度であり、売却価格を保証する仕組みではない点も押さえておきたいところ。注意点として、地主には介入権が認められており、裁判所の定める期間内であれば、地主自身が優先して借地権付き建物を買い取れます。期間については、裁判所も特段の事情がなければおおむね1年以内に終局する事件が多いと案内しており、時間と費用の見通しを立てたうえで踏み切る判断が求められます。 三つの選択肢を比較する 対処法 価格面の特徴 期間の目安 主な留意点 底地との一括売却 総額が大きくなりやすい 中〜長期 地主の合意と配分の取り決めが前提 地主への買い取り依頼 低めの提示になりやすい 短期 競合がなく価格交渉で不利になりやすい 裁判所の代諾許可 予定していた第三者への売却を進められる可能性がある 長期 費用がかかり、介入権の行使もある ✓ポイント:三つの方法は優劣ではなく、優先順位の問題です。まずは一括売却という双方に利のある案を示し、それが難しければ地主への買い取り依頼、いずれも折り合わないときに法的手続きを検討する。この順番で進めると、関係をこじらせずに済み、結果として好条件を引き出しやすくなります。 出典:第1 借地非訟とは|裁判所 4. 岡山市で借地権付き物件の売却を成功させる不動産会社選び 借地権の売却は、依頼先によって結果が大きく変わる分野です。通常の仲介と違い、権利関係の知識と地主との関係づくりを同時に進める必要があるため、対応できる会社が限られます。相談先を選ぶ際は、次の二点を確かめてください。 岡山市内の不動産事情と借地権取引の実績を確認する 地域の事情を知っているかどうかは、査定の精度に直結します。岡山市は市街地と郊外で土地の需給に差があり、エリアごとに買主層の顔ぶれも変わってきます。借地権付き物件を実際に成約させた経験がある会社かどうか、面談の場で率直に尋ねるのが確実です。あわせて、承諾が得られなかった場合にどう動くのか、想定される期間はどれくらいかまで説明してもらえるなら、任せる判断材料になるでしょう。抽象的な安心感だけを並べる会社は、避けたほうが無難です。 どこまで支援してもらえるか、専門家との連携体制を見極める 借地権売却の山場は、地主との折衝です。地主への連絡や売却条件の調整をどこまで支援してもらえるのか、依頼前に確認しておいてください。ここを相続人任せにする会社では、負担が重くなりすぎます。同時に押さえておきたいのが、不動産会社が担える範囲には線引きがあるという点。地主との間で法的な争いが表面化した場合の交渉や借地非訟の代理は弁護士の職務であり、報酬を得て不動産会社が行うことはできません。紛争になったときに弁護士と連携して動ける体制があるかは、必ず確かめたい条件です。あわせて、相続登記なら司法書士、相続税や譲渡所得の試算なら税理士と、役割ごとに適切な専門家へつなげる窓口機能があるかも見ておきましょう。株式会社タークス不動産では、岡山市の借地権付き物件について、契約書や登記の読み解きから地主との条件調整、必要に応じた専門家のご紹介まで一貫してお手伝いしています。 ✓ポイント:会社選びで見るべきは、査定額の高さではなく進め方の具体性です。地主にどう話を持っていくか、承諾が出なかったときにどの手を打つか、法的な問題が生じたらどの専門家につなぐか。この三つを自分の言葉で説明できる担当者であれば、任せる価値は十分にあります。複数社の話を聞き比べたうえで判断してください。 出典:弁護士法|e-Gov法令検索 5. 適切な準備と交渉で岡山市の借地権付き物件は売却できる 相続した借地権付き物件は、確かに手間のかかる資産です。それでも、売却できない資産ではありません。まず自分が引き継いだ権利の種類を確かめ、契約内容を把握し、承諾料の考え方を理解したうえで、地主にとっての利点まで用意して臨めば、合意に至る道は開けます。仮に承諾が得られなくても、底地との一括売却、地主への買い取り依頼、裁判所の代諾許可という三つの出口が残されています。 放置している間も地代の支払いは続き、建物は傷み、相続人が増えれば権利関係はさらに複雑になっていきます。相続登記の期限も迫るなか、動き出すなら早いほうが有利、というのが実感です。岡山市で借地権付き物件の扱いにお困りでしたら、株式会社タークス不動産へお気軽にご相談ください。契約書一枚からでも、現状の整理と次の一手をご提案します。 ※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の権利関係や税務の判断については、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。
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2026.08.28
コラム
岡山市で相続した実家。築40年を超え、人が住まなくなって数年——。「更地にしないと売れないと言われたが、解体費用が100万円以上と聞いて手が止まっている」。株式会社タークス不動産にも、そうした相談が毎月のように寄せられます。 結論から申し上げると、古い建物が建ったままでも「古家付き土地」として売却する方法はあります。むしろ解体してから売ったほうが手取りが減るケースも珍しくありません。解体費用は売却前に自己資金から先出しする必要があり、取り壊せば翌年度から土地の固定資産税の軽減措置が外れる可能性もあるためです。 逆に古家を残せば「解体費用分は値引きを」と交渉されやすい。どちらが有利かは物件ごとに違います。この記事では、解体せずに売るメリットとデメリット、岡山市で売却を進める実践ノウハウ、損をしないための相談手順を整理していきます。 岡山市で相続した古い家は「解体せず」に売却できるのか 古い家は解体しないと売れない、という思い込みは、いったん外して構いません。築古の建物が残ったままでも「古家付き土地」として売り出す方法は実務上とられています。ただし有利かどうかは、敷地条件を確認しないと判断できません。 「古家付き土地」は実務上の表現で、現状のまま売り出せる 古家付き土地とは、法律上の物件区分ではなく、建物より土地の価値を中心に売り出す際に使われる実務上の表現です。築年数や劣化状況によっては建物の市場評価をほとんど見込まないこともありますが、価値が一律にゼロになるわけではなく、固定資産税の家屋評価額とも別の概念。岡山市の家屋評価額は、再建築費評点数や経年減点補正率をもとに算出されます。 現況引渡し(今ある状態のまま引き渡す)とするかは契約で決まる 解体するかどうか、誰が費用を負担するかも契約条件のひとつ 築古の家を建てたまま売ってはいけないという決まりは、法律上どこにもありません。 中古住宅を検討する買主の選択肢になり得る 新築価格が上がるなか、中古住宅を買って手を入れながら住む選択をする人もいます。建物が残っていれば、そうした買主の検討対象に入る可能性は生まれる。ただし、築古の建物があること自体が集客力になるわけではなく、需要の有無は立地と建物の状態次第です。 参考までに、総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、岡山市の賃貸用・売却用および別荘等を除く空き家は22,900戸、総住宅数の5.9%。ただしこの数値には取壊し予定や長期不在の住宅も含まれ、売却可能な中古住宅の在庫量を示すものではありません。 立地や敷地条件によって確認すべきことが変わる 売り方をエリアや面積だけで決めることはできません。先に確認すべきは、その敷地で建て替えができるのかどうかです。 立地・条件 解体前に確認しておきたいこと 中心市街地・住宅地の敷地 建築基準法上の道路種別、接道の長さ、セットバックの要否 前面道路が4m未満・接道が2m未満 42条2項道路の指定の有無と後退方法、43条2項の認定・許可の可能性 市街化調整区域・農地に隣接 開発許可や建築許可の要否、既存建物の適法性、農地法上の手続き 都市計画区域等では、原則として敷地が建築基準法上の道路に2m以上接している必要があります。ただし幅員4m未満でも同法42条2項道路として扱われ、セットバックによって建て替えられる場合があり、接道が不足していても43条2項の認定・許可を受けられることも。「既存不適格建築物であること」と「再建築不可であること」は同じではありません。なお都市計画区域外には、建築基準法上の道路種別そのものが存在しません。 ✓ポイント:敷地が何mの道路に何m接しているかは、課税明細書や登記簿だけでは判断できません。解体の見積もりを取る前に、道路種別、接道長、セットバック、認定・許可の可能性を岡山市建築指導課の窓口で確認しておくことが、遠回りに見えて最短ルートになります。 出典:建築基準法の道路について|岡山市 解体せずに「そのまま売却」する3つのメリット 古家を残す意味は、売主が費用と判断のリスクを先に背負わずに済む点にあります。お金、税金、買主の反応という3つの側面から見ていきます。 解体費用を自己資金から持ち出さずに済む 解体費用は木造30坪程度で100万〜200万円程度が一般的な目安。ただし次の要素が重なると金額は膨らみます。 重機が入らない狭い前面道路(手壊し作業が増える) ブロック塀、庭石、樹木、物置などの附帯工事 昭和期の建材に含まれるアスベストの調査・除去 支払いは工事完了時が通常で、売却代金が入る前に現金を用意しなければならない点が相続人にとって重い負担になります。相続税の納付や代償金の支払いが控えていれば、なおさらでしょう。 なお岡山市には、市が特定空家等と判断した建物などを対象に除却費用の一部を補助する制度があります。ただし古い家であれば使えるものではなく、所有者の要件、市税の納付状況、市内施工業者による施工、事前相談などの条件があり、勧告を受けた特定空家等は対象外です。補助率や受付期間は年度ごとに変わるため、市の担当課で確認してください。 住宅用地の特例が維持される可能性がある 住宅の敷地には、固定資産税の課税標準を抑える特例が設けられています。 区分 面積 固定資産税の課税標準 小規模住宅用地 住宅用地のうち200㎡以下の部分 評価額の6分の1 一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 評価額の3分の1 住宅を取り壊すと、原則として翌年1月1日時点で住宅が存在しない敷地は、翌年度から特例の対象外となります。ただし、特例が外れても税額が一律に6倍になるわけではありません。負担調整措置があり、家屋分の固定資産税がなくなるため、土地と建物を合計した負担が必ず増えるとも限らないからです。都市計画税は市街化区域内の土地・家屋に課税され、こちらにも別の特例率があります。判断材料にするなら感覚ではなく試算を。解体前に市税事務所へ相談し、取り壊した場合の土地の税額と家屋分がなくなる差し引きを確認しておくと、比較の精度が上がります。 建物を残すことで検討してもらえる買主もいる 建物を残せば、中古住宅として活用したい買主の検討対象になる可能性があります。一方で、解体の手間や費用を負担したくない買主からは敬遠されることも。古家付きと更地のどちらが買主層を広げるかは、建物の状態、接道、地域の土地需要、想定する買主像によって変わります。決め打ちせず、両方の反応を見られるようにしておくのが現実的です。 出典:住宅用地に対する課税標準の特例|岡山市 解体せずに売却するデメリットと注意点 当然リスクもあります。知らずに進めると、売却後にトラブルを抱え込むことにもなりかねません。 更地を探す買主から敬遠され、売却が長期化しやすい 注文住宅を建てたい買主は更地を望みます。古家があると解体見積もりや工期の調整が必要になり、住宅ローンの実行スケジュールも組みにくいため。金融機関によっては解体費用をローンに含められず、買主が別途現金を用意することに。近隣に更地の競合があると、価格以前の理由で見送られます。 解体費用相当の値下げ交渉を受けやすい 価格交渉では、ほぼ確実に解体費用の話が出ます。厄介なのは、その金額が実勢より高めに見積もられがちな点。防ぐ手は単純で、売り出し前に自分でも解体業者から見積もりを取っておくこと。根拠となる数字を持っているかどうかで、交渉の主導権は変わります。 「契約不適合責任」を問われるリスクがある 引き渡した物件が契約内容に適合しない場合、売主は修補や代金減額、損害賠償の責任を負います。雨漏り、シロアリ被害、給排水管の劣化など、外から見えない不具合が典型。相続した実家は売主自身が住んでいなかったことがほとんどで、把握できていない状態がそのままリスクになります。 対策の基本は「隠さず、書面に残す」こと。把握している不具合を告知書に正確に記載し、責任の範囲や期間を契約書で定めておけば、後日の紛争はかなり防げます。なお民法では、売主が知りながら告げなかった事実は、免責の特約があっても責任を負うと定められています。 放置し続けた場合の税負担にも注意を。管理が行き届かない家は「管理不全空家等」として市の指導・勧告の対象となり得ます。勧告を受けたまま賦課期日を迎えると住宅用地の特例が適用されないため、建物を残していれば安心、というわけではありません。 出典:民法|e-Gov法令検索 岡山市で売却を進めるための実践ノウハウ 古家付き土地は、売り出す前の準備で買主に伝わる情報量が変わります。検討したい3つの手当てを紹介します。 準備項目 費用の目安 期間の目安 遺品整理・清掃 15万〜60万円程度 数日〜2週間 建物状況調査(インスペクション) 5万〜10万円程度 報告書まで1週間前後 境界確定測量 40万〜80万円程度 2〜4か月 ※費用・期間は一般的な目安です。建物規模、構造、接道、アスベストの有無、残置物の量、境界や登記の状態によって大きく変動します。複数社の見積もりで比較してください。 遺品整理と清掃は売却方法に応じて判断する 必要性は売り方によって変わります。個人へ仲介で売るなら、室内が片付いていれば内覧時の印象は改善しやすいもの。一方、買取や買主が残置物処分を行う契約では、片付けないほうが費用を抑えられることもあります。仏壇や神棚の扱いは宗派や家族の意向によるため、必要に応じて寺院や神社へ相談し、家族の合意をとってから進めるのが無難です。 建物状況調査(インスペクション)で状態を可視化する 宅地建物取引業法上の建物状況調査は、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士が、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分などを目視・計測して調べるものです。ただし確認できる範囲には限界があり、欠陥がないことを保証したり、修繕費用を算定したりする調査ではありません。令和6年4月からは標準媒介契約約款にもこの限界が明記されました。修繕費の把握が必要なら、別途見積もりを取ることになります。それでも状態が書面で示されていれば、買主は購入後の負担を検討しやすくなる。値引きを確実に防げるわけではないものの、判断材料を渡せる点に意味があります。 境界確定測量を早めに検討しておく 古い住宅地では、境界標が失われていたりブロック塀が越境していたりします。測量では土地家屋調査士が隣地所有者の立ち会いのもとで境界を確認し、書面に残す流れ。隣地で相続が発生していると日程調整だけで数か月かかることもあり、必要と判断したら早めの着手が安全です。 出典:既存住宅流通について(建物状況調査(インスペクション)活用に向けて)|国土交通省 一般の買い手が見つからない場合の解決策 売り出しから半年、反応がない。そんなときは売り方を切り替える手があります。仲介と買取は競合する手段ではなく、状況に応じて使い分けるものです。 比較項目 仲介 買取 売却価格 市場相場に近づけやすい 仲介より低くなるのが一般的 期間 買主が現れるまで読みにくい 仲介より短期間で決済に至ることが多い 内覧対応 必要 原則不要 残置物 事前対応が望ましい そのまま相談できる場合がある 契約不適合責任 売主が負う(特約で調整) 免除・限定する特約を設けることが多い 仲介手数料 必要 不要 「買取」なら現状のまま短期間で手放せる場合がある 買取は不動産会社が買主となる方法で、買主を探す期間が不要な分、売却時期が読みやすくなります。家財が残っていても片付けずに引き渡せる場合があり、内覧対応も原則不要。遠方で管理に通えない、相続人が複数いて早期に現金化したい。そうした事情があるなら、価格差を差し引いても選ぶ価値があります。 買取では契約不適合責任を免除・限定する特約を設けることが多い 不動産会社による買取では、売買契約で売主の契約不適合責任を免除または限定することがあります。ただし自動的に免責されるわけではなく、契約書にその定めがなければ責任は残ります。売主が把握している雨漏りやシロアリ被害を告げなかった場合は、免責特約があっても責任を問われる可能性も。契約前に特約の有無と範囲を確認してください。 迷ったら岡山市の専門家へ相談を 結局どちらが得なのか。答えは、手取り額を両方のパターンで計算して初めて出るというもの。感覚や噂ではなく数字で比べるのが、損をしない近道です。 両パターンの手取り額を比較する 比べるべきは売却価格だけではありません。想定売却価格(更地/古家付き)、解体費用と附帯工事費、保有期間中の固定資産税・都市計画税、仲介手数料や測量費、譲渡所得税と住民税。並べて初めて優劣が見えます。 税金の扱いは結論を左右します。相続した空き家の売却では、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があり、適用期限は令和9年12月31日まで。令和6年1月1日以後の譲渡では、古家付きのまま売り、買主が譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または全部の取壊しを行った場合も対象になり得ます。ただし要件は多岐にわたります。 昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、区分所有建物ではないこと 相続開始の直前に、原則として被相続人が一人で居住していたこと 相続後に事業用・貸付用・居住用として使っていないこと 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること 売却代金が1億円以下であること 確定申告と、市区町村が交付する確認書などの書類が必要なこと 適用の可否は個別事情で変わるため、契約前に税理士や所轄税務署へ確認するのが確実です。相続人が3人以上の場合、控除額は1人あたり2,000万円までとなります。 登記も忘れずに。令和6年4月1日より前に開始した相続で、すでに不動産の取得を知っていた場合は、原則として令和9年3月31日までに相続登記が必要です。同日以後の相続は、取得を知った日から3年以内が原則。故人名義のままでも査定や相談は可能ですが、買主への所有権移転登記を行う決済までには登記を済ませておく必要があります。 出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁 相続登記・税務の専門家と連携できる会社を選ぶ 登記申請の代理は司法書士、税務相談や申告は税理士の専門領域です。不動産会社に期待できるのは、専門家へつなぎ、連絡と進行を整理する役割。会社選びでは次の4点を確認してください。 司法書士や税理士と連携し、相談先まで案内してもらえるか 岡山市内の道路事情や地域の需要を、根拠を添えて説明できるか 仲介と買取の両方を扱い、中立的に比較提案してくれるか 更地と古家付きの査定額を、算出根拠とともに示せるか ✓ポイント:相談のタイミングは「売ると決めてから」ではなく「迷い始めた時点」が正解です。解体契約を結んだ後では、選べたはずの選択肢がひとつ消えます。 まとめ 岡山市で相続した古い家は、解体せずに古家付き土地として売る方法があります。解体費用を持ち出さずに済み、住宅用地の特例が維持される可能性もある。一方で更地を望む買主からは敬遠され、値引き交渉や契約不適合責任のリスクも背負います。判断を分けるのは、敷地条件の確認と手取り額の試算です。 株式会社タークス不動産では、岡山市内の相続物件について更地と古家付きの両面から査定を行い、司法書士や税理士と連携しながら売却までをサポートしています。解体業者に連絡する前に、まずは現状のままでいくらになるのか、お気軽にお問い合わせください。
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2026.08.12
コラム
家の売却でよくある後悔は「売った後」に気づきやすい。 家を売るときの後悔で多いのは、「売らなければよかった」という話だけではありません。 実際には、 もう少し高く売れたかもしれない あの会社に決める前に比較すればよかった 思ったより手元に残らなかった 売却と住み替えの順番をもっと考えればよかった 税金や費用のことを先に知っておきたかった といった後悔もあります。 特に難しいのが、家の価格は「査定額=実際に売れる金額」ではないことです。 不動産の取引価格は、土地・建物の状態だけでなく、立地、土地の形状、接道状況、築年数、周辺の成約事例など、さまざまな条件によって変わります。 国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際の不動産取引価格を確認できます。 岡山の家を売る場合も、周辺でどのくらいの価格で取引されているのかを確認する材料になります。 よくある後悔①「思ったより安く売ってしまった」 一番わかりやすい後悔がこれです。 「最初の査定額は高かったのに、結局そこまでの価格では売れなかった」というケースもあります。 査定額を見ると、どうしても一番高い金額が気になります。 ただ、本当に見るべきなのは「いくらと査定されたか」だけではありません。 なぜその価格なのか。どのくらいの期間で売る想定なのか。その価格で購入する人が現実的にいるのか。 ここまで説明を聞いておくと、売却後の「こんなはずじゃなかった」を減らせます。 よくある後悔②「査定額だけで会社を決めてしまった」 不動産会社によって査定額が違うのは珍しくありません。 だからこそ、高い査定額だけを理由に決めると、あとから「最初の金額は何だったんだろう」と感じることがあります。 大切なのは、査定額そのものよりも、その金額の根拠です。 よくある後悔③「売却を急ぎすぎた」 「早く売らないといけない」と思っている方もいますが、必ずしもそうとは限りません。 住み替えなら、売却と購入のタイミング。 住宅ローンが残っているなら、残債と売却価格。 相続した家なら、相続手続きや空き家の管理。 事情によって、考える順番が変わります。 実際によくある家の売却相談・後悔のケース ここからは、タークス不動産で実際にご相談いただく内容をもとに、個人が特定されないよう一部一般化して紹介します。 ケース1「査定額と成約価格が違った」 ある売却では、最初の査定価格をそのまま成約価格と考えるのではなく、反響を見ながら販売価格を調整しました。 最終的には、価格を50万円調整して3,450万円で成約。 このようなケースでは、「最初の査定額を守ること」だけが正解ではありません。 問い合わせ数や内覧状況を見ながら、価格と売れ方のバランスを考えることもあります。 「最初から安く売る」のでも、「ずっと高い価格にこだわる」のでもなく、実際の反応を見ながら判断する。 この考え方を最初に知っておくだけでも、売却後の後悔は減らしやすくなります。 ケース2「住宅ローンが残っているけど、売れる?」 実際の売却相談では、 「住宅ローンがまだ残っているんですが、売れるんですか?」 という質問もよくあります。 住宅ローンが残っている場合でも、売却価格とローン残高、売却にかかる費用などを整理して、売却できるかを検討できます。 大切なのは、「ローンが残っているから売れない」と最初から決めつけないこと。 反対に、売却できるか確認しないまま住み替えを進めるのも避けたいところです。 関連記事:住宅ローンが残っていても家は売れる?岡山で売却する前に知りたいポイント ケース3「空き家になってから考えればいいと思っていた」 相続した実家などでは、 「まだ使うかもしれないから、とりあえずそのままにしておこう」 という判断もあります。 ただ、誰も住まなくなった家は、換気や清掃がされないことで劣化が進みやすくなります。 岡山市も、空き家は適切に管理しないと建物の老朽化や防犯などの問題につながるとして、所有者向けの相談窓口を設けています。 「売る」「貸す」「持ち続ける」のどれがいいのか。 決める前に、現在の家の状態と今後かかる費用を確認しておくと判断しやすくなります。 家の売却で後悔しないために、売る前に確認したい5つのこと 後悔を避けるために、売却前に確認しておきたいことは5つあります。 ①いくらで売れそうか まずは相場を知ることです。 「購入したときはいくらだったか」ではなく、現在の市場でどのくらいの価格が現実的なのかを確認します。 国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格を調べられます。 ✓ポイント 査定を受ける前でも、周辺の取引価格を知っておくと、不動産会社から提示された査定額を見るときの判断材料になります。 出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」 不動産情報ライブラリを見る ②手元にいくら残るのか 「3,000万円で売れたから、3,000万円が手元に残る」というわけではありません。 仲介手数料や登記関係の費用、場合によっては測量・解体などの費用が発生します。 仲介手数料にも法律上の上限があります。 ✓ポイント 売却価格だけではなく、「最終的に手元にいくら残るのか」まで確認しておくと、住み替えや今後の資金計画を立てやすくなります。 出典:国土交通省「消費者の皆様向け 不動産取引に関するお知らせ」 媒介契約・仲介手数料について|国土交通省 ③住宅ローンはどうするのか 住宅ローンが残っている場合は、現在の残高を確認します。 例えば、売却価格がローン残高を上回るのか、それとも不足するのか。 ここがわからないと、「売った後の生活」が見えにくくなります。 ④税金や諸費用はかかるのか 家を売って利益が出た場合には、譲渡所得に対する税金がかかる可能性があります。 一方、マイホームの売却では、一定の条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。 ただし、適用には条件があり、確定申告が必要になる場合もあります。 ✓ポイント 「売却したら必ず税金がかかる」「3,000万円控除が必ず使える」と単純に考えず、自分のケースで対象になるか確認しましょう。 出典:国税庁「マイホームを売ったときの特例」 マイホームを売ったときの特例|国税庁 ⑤どの会社に任せるのか 不動産会社を選ぶときは、査定額だけでなく、 「この価格にした理由を説明してくれるか」 「売却後の流れまで説明してくれるか」 「住宅ローンや住み替えなど、自分の事情を理解してくれるか」 といった部分も見ておきたいところです。 媒介契約には3つの種類があり、それぞれ特徴が違います。 契約内容や販売方法がよくわからないまま進めず、「何をしてくれる会社なのか」を確認してから決めると安心です。 なお、不動産の売却では「媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)」によって、販売活動の範囲や報告頻度、自己発見取引の可否などが変わります。 例えば、複数の不動産会社に依頼できるかどうかや、売却状況の報告をどのくらいの頻度で受けられるかといった点が異なるため、こうした違いを理解しておくことは、後悔しない会社選びにもつながります。 岡山で家を売るなら「価格だけ」では判断しない 岡山で家を売る場合も、単純に「築○年だから○万円」という決まり方ではありません。 岡山市内でも、駅への距離だけでなく、土地の広さや形、前面道路、駐車スペース、周辺環境、建物の状態などによって見られ方は変わります。 また、岡山では相続などをきっかけに空き家の売却を考えるケースもあります。 岡山市は2026年3月に第2期岡山市空家等対策計画を策定し、空き家の適切な管理や流通促進に取り組んでいます。 市内では空き家に関する相談窓口も設けられています。 つまり、岡山での売却では「全国的な相場」だけを見るより、その家がある地域で、どんな買主に選ばれそうなのかまで考えることが大切です。 例えば、 「駅からは少し離れているけれど駐車場が2台ある」 「建物は古いけれど土地が広い」 「空き家だけどリフォームして住みたい人には向いている」 など、売主から見るとマイナスに感じる部分が、買主にとっては気にならないこともあります。 だからこそ、価格だけで家の価値を決めつけないことが大切です。
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2026.07.23
コラム
岡山市で実家を相続したものの、建物の傷みが激しく、どう扱えばいいのか決めきれずにいる。そんな状態のまま数年が過ぎてしまうケースを、私たち株式会社タークス不動産は数多く見てきました。 老朽化した空き家を放置すると、固定資産税の負担増や近隣トラブルといったリスクが積み上がっていきます。しかも「再建築不可」「共有名義」「相続登記が終わっていない」といった課題が重なった物件は、個人の努力だけで解決するのが非常に難しくなります。ひとつずつ専門家を探して回るうちに、時間だけが過ぎていく。これが最も避けたい展開です。 この記事では、岡山市における老朽化した空き家について、「売却・解体・活用」それぞれの利点と注意点を整理します。あわせて、複数の課題を抱えた不動産をスムーズに手放すための現実的な選択肢についてもお伝えします。読み終えたとき、次の一手が明確になっているはずです。 1.岡山市で相続した老朽化物件をそのまま放置してはいけない理由 老朽化した空き家の放置は、時間の経過とともに損失が膨らむ選択です。理由は明快で、税負担と管理責任の両方が所有者にのしかかり続けるからです。「いつか考えよう」と先送りした結果、行政指導の対象になったり、近隣から苦情が寄せられたりしてから慌てて動く。そうなる前に、リスクの中身を正しく把握しておきたいところです。 1-1.固定資産税が最大6倍に跳ね上がる「特定空家等」のリスク 空き家を放置する最大の金銭的リスクは、土地の税額が上がることにあります。住宅が建っている土地には固定資産税の住宅用地特例が適用され、200平方メートル以下の部分は課税標準額が6分の1に軽減されています。ところが、倒壊のおそれがあるなど周囲に著しい悪影響を及ぼすと判断され「特定空家等」に指定されたうえで勧告を受けると、この特例の対象から外れます。結果として、土地部分の固定資産税負担が最大で約6倍相当まで増える可能性が生じます。建物分や都市計画税を含めた総額がそのまま6倍になるわけではありませんが、影響は小さくありません。 さらに、令和5年12月に施行された改正空家法では、特定空家等の一歩手前の状態を指す「管理不全空家等」という区分が新設されました。窓ガラスが割れたまま、庭木が敷地外まで伸びている、といった段階でも指導や勧告の対象になり、勧告を受ければ特例が受けられなくなります。「まだ倒れてはいないから大丈夫」という感覚は、すでに通用しません。 ✓ポイント:住宅用地特例から外れるきっかけは、指定そのものではなく「勧告」です。しかも固定資産税は原則として1月1日時点の状況を基準に課税されるため、影響が出るのは翌年度以降になります。助言・指導の段階で状態を改善すれば、増税は避けられます。行政から書面が届いたら、それは対応の猶予が残っているサインだと受け止めてください。 出典:空家法とは|国土交通省 1-2.建物の倒壊や衛生環境の悪化による近隣トラブルへの発展 放置された空き家は、周辺への実害を生みます。老朽化した木造家屋は屋根材や外壁材の落下リスクを抱えており、台風や地震で一部が飛散すれば、隣家の車や建物を傷つけかねません。岡山市内でも洪水や土砂災害のリスクは地域によって異なり、2018年の西日本豪雨のように想定を超える事態は現実に起こります。 厄介なのは、こうした損害の責任が所有者に及び得る点です。民法上、建物など土地の工作物の設置・保存に問題があって他人に損害を与えた場合、その占有者や所有者が損害賠償責任を問われる可能性があります。空き家では所有者自身が管理者を兼ねているケースが大半で、遠方に住んでいて手が回らなかった、という事情は免責の理由になりません。 加えて、雑草の繁茂、害虫の発生、不法投棄、放火のリスク。どれも近隣住民との関係を確実に悪化させます。実家がある地域に親族や知人が住み続けているなら、その人間関係にまで影響が及ぶことになります。 出典:民法|e-Gov法令検索 2.ボロボロの空き家をどうする?3つの選択肢と判断基準 老朽化した空き家の出口は、大きく3つに分かれます。どれが正解かは物件の立地と状態によって変わるため、まず選択肢の輪郭を掴むことが判断の第一歩です。ここでは「古家付き土地としての売却」「解体して更地で売却」「リフォームして賃貸活用」を比較します。 選択肢 初期費用 現金化までの期間 向いている物件 古家付き土地として売却 ほぼ不要 中〜長期(仲介の場合) 立地が良く、解体費を買主が負担できる 解体して更地で売却 解体費が数十万〜数百万円 中期 需要のある住宅地で、建て替えが可能 リフォームして賃貸活用 数百万円規模になることも 長期(回収前提) 駅近・大学周辺など賃貸需要が明確 ※費用はあくまで目安です。構造、規模、立地、付帯工事の有無によって大きく変動します。 2-1.費用をかけずに手放すなら「古家付き土地」として売却する 手元資金を使わずに手放したいなら、古家付き土地としての売却が有力です。建物を残したまま「土地+現況古家あり」として市場に出す方法で、売主が解体費用を先に支出せずに済みます。 この方法が成立する条件は、土地そのものに需要があることです。買主は解体費を見込んだうえで購入価格を判断するため、周辺相場に対して価格を調整する必要が出てきます。逆に、住宅需要のあるエリアであれば、買主が自分の好みで建て替えを前提に検討してくれるため、話は進みやすくなります。 一方で注意したいのが、建物の状態に起因する責任です。古家付きで売る場合、引き渡し後に発覚した不具合について売主が責任を問われる可能性が残ります。契約書で免責の特約を結ぶのが一般的ですが、その交渉自体が個人には負担になります。 2-2.買い手を見つけやすくするなら「解体」して更地で売却する 売却スピードを重視するなら、解体して更地にする選択があります。更地は買主にとって用途が読みやすく、住宅用地としても事業用地としても検討対象になるため、成約可能性が高まります。 ただし、費用と税金の両面で見落としがちな点があります。前面道路が狭く重機が入らない、アスベスト含有建材が使われている、といった条件が重なると解体費用は膨らみます。加えて、建物を取り壊すと住宅用地特例が外れるため、更地のまま年をまたぐと翌年度の固定資産税が上がります。 岡山市には「空家等適正管理支援事業(除却)」という補助制度があり、一定の要件を満たす特定空家等の除却費用の一部が補助されます。ただし勧告を受けた特定空家等は対象外であること、市内に拠点のある施工業者による工事であることなど、条件は細かく定められています。対象範囲、上限額、受付期間は年度ごとに変わるため、着手前に市の担当窓口で最新情報を確認してください。 ✓ポイント:解体を先行させると、売れない期間の固定資産税をまるごと負担することになります。買主が決まってから解体する、あるいは解体を前提とした条件で契約を結ぶ。この順序を守るだけで、数十万円単位の無駄が防げます。 出典:空家等適正管理支援事業(除却)|岡山市 2-3.立地が良い場合はリフォームして「賃貸物件」として活用する 賃貸活用は、立地が明確な強みを持つ物件に限って検討する価値があります。理由は投資回収の見通しが立つかどうかに尽きるからです。岡山市内でも、岡山駅周辺や大学キャンパスの近隣、幹線道路沿いなど、賃貸需要が読めるエリアであれば選択肢に入ります。 とはいえ、老朽化した戸建てを賃貸に出せる水準まで直すとなると、水回りの更新、屋根・外壁の補修、電気配線のやり替えなどで数百万円規模の投資が必要になるケースは珍しくありません。月額家賃で投資額を回収するには10年以上を要する計算になることも多く、その間の空室リスクと修繕リスクは所有者が背負います。 相続した実家を「思い出のある家だから残したい」と考える気持ちは、私たちも理解しています。ただ、感情と経済合理性を切り分けたうえで判断しないと、負担だけが残る結果になりかねません。 3.「再建築不可」など複数の課題を抱える空き家の手放し方 複数の課題が絡んだ空き家は、一般的な仲介の土俵に乗りにくいのが実情です。理由は、課題ごとに必要な専門知識と手続きが異なり、それぞれを別々に進めていると期間もコストも膨らむからです。ここでは代表的な三つのケースについて、現実的な打ち手を整理します。 3-1.原則として建て替えができない再建築不可物件の売却方法 再建築不可物件とは、建築基準法で定められた接道義務を満たさない土地に建つ建物を指します。都市計画区域内では、建築物の敷地は原則として幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければなりません。岡山市の旧市街地や古い分譲地には、この条件を満たさない敷地が今も残っています。 建て替えができないため、住宅ローンの審査が通りにくく、一般の買主は購入をためらいます。ただし、打ち手がないわけではありません。隣接地の一部を買い取って接道条件を満たす、隣地所有者に売却する、建築基準法43条2項の認定・許可(いわゆる旧43条但し書き許可)を検討するといった方法があり、いずれも交渉と行政協議を伴います。 こうした物件は、活用ノウハウを持つ不動産会社による直接買取が現実的な出口になるケースが多くなります。再建築不可であることを理解したうえで価格を提示できる相手を選ぶことが、話を前に進める鍵です。 出典:接道規制のあり方について|国土交通省 3-2.複数人の共有名義や相続登記が未完了となっているケースの対応 相続した不動産の売却では、権利関係の整理が避けて通れません。共有名義の不動産を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。兄弟姉妹が遠方に散っている、疎遠になっている、すでに次の世代へ相続が発生している。こうした事情が重なるほど、合意形成の難度は上がります。 登記の問題も見逃せません。令和6年(2024年)4月1日から相続登記の申請が義務化され、相続の開始と所有権の取得を知った日から3年以内に登記を行わないと、正当な理由がない限り10万円以下の過料の対象となります。この義務は施行日より前に発生した相続にも及び、未登記のままであれば原則として令和9年(2027年)3月31日までに申請しなければなりません。「祖父の名義のまま」という物件を抱えている場合、すでに期限が視野に入っていると考えてください。 ✓ポイント:相続登記は本人による申請も可能です。ただし相続人が多い、数次相続で関係者が枝分かれしている、といったケースでは、司法書士等へ相談するのが現実的でしょう。不動産会社と司法書士が連携している体制であれば、相続登記と売却の準備を並行して進められるため、全体の期間を短縮できます。窓口が一つにまとまっているかどうかを、依頼先選びの基準にしてください。 出典:相続登記の申請義務化について|法務省 3-3.複雑な権利関係もまとめて任せられる専門業者への依頼が安全な理由 課題が複数ある物件ほど、窓口を一本化する意味は大きくなります。相続登記は司法書士、境界確定は土地家屋調査士、税務は税理士、解体は解体業者、売却は不動産会社。所有者が個別に手配すれば、それぞれとの打ち合わせが発生し、情報の伝達漏れも起こりやすくなります。 私たちが相談を受ける案件でも、「どこから手をつければいいのか分からず数年間動けなかった」という声を数多く伺います。実際には、専門家同士が連携すれば数か月で解決に向かう内容だったというケースも少なくありません。 4.老朽化した空き家は「仲介」よりも「買取」が適している理由 老朽化が進んだ空き家については、仲介よりも買取のほうが結果的に売主の利益になる場面が多くあります。理由は、仲介が「買い手を探す」仕組みであるのに対し、買取は「不動産会社が直接買う」仕組みだからです。市場性の低い物件ほど、この違いが効いてきます。 比較項目 仲介 買取 売却価格 市場価格に近い 仲介より低くなる傾向。物件状態により大きく変動 現金化までの期間 数か月〜1年以上 条件が整えば数日〜数週間 修繕・解体費用 売主の事前負担になりやすい 事前支出は原則不要(買取価格に反映) 契約不適合責任 売主が負う 契約条件により免責・限定できる場合がある 仲介手数料 必要 直接買取なら原則不要 4-1.リフォーム費用や解体費用を売主が事前に支出せずに済む 買取の利点は、現況のまま引き渡せる点にあります。買主が不動産会社である以上、建物の傷みや残置物の存在は前提として織り込まれています。 仲介で売る場合、内覧に耐える状態にするための清掃や修繕、家財の撤去は売主の仕事になります。実家の片付けだけで数十万円、遺品整理業者に依頼すれば規模によってはそれ以上かかることも珍しくありません。買取であれば、これらを持ち出しで支払う必要がなくなります。もっとも、修繕や解体に要する費用は買取価格に反映されるのが通常です。「タダで処理してもらえる」わけではなく、「先に払わずに済む」と理解しておくのが正確でしょう。 4-2.売却後の契約不適合責任を免責または限定できる場合がある 引き渡し後のリスクを抑えられる点も、買取を選ぶ理由になります。契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)とは、引き渡した目的物が契約内容と異なる場合に売主が負う責任で、修補や代金減額、損害賠償の請求を受ける可能性があります。 築年数の経った建物では、雨漏りやシロアリ被害、給排水管の劣化といった不具合が後から見つかることがあります。個人が買主の場合、この責任を完全に外すのは容易ではありません。対して、不動産会社が買主となる買取では、契約条件によって契約不適合責任を免責または限定できる場合があります。ただし自動的にそうなるわけではなく、契約書の内容次第です。契約前に条項を確認しておいてください。 4-3.買い手探しに時間をかけず、条件が整えば短期間で現金化できる 期間の短さも実務上の価値があります。買取は不動産会社が査定額を提示し、条件が合えばそのまま契約に進むため、買い手を探す期間がまるごと不要になります。権利関係が整理され、必要書類が揃っている場合には、物件調査から契約、決済まで数日から数週間で完了することもあります。 逆に、相続登記が未了、共有者の同意が取れていない、境界が確定していない、抵当権が残っている。こうした状態では、まずその整理に時間を要します。固定資産税の支払いが迫っている、遺産分割協議を早く終えたいといった事情があるなら、早めに現状を確認しておくほど選択肢は広がります。 ✓ポイント:買取価格は市場価格より下がりますが、比べるべきは「仲介の売却価格」ではなく「仲介で売れた場合の手取り額」です。解体費、残置物処分費、仲介手数料、売れるまでの固定資産税。これらを差し引いた実質手取りで比較すると、両者の差は想像より小さくなります。 5.岡山市での空き家問題は、包括的な解決が可能な専門業者へご相談を 複数の課題が絡んだ空き家ほど、まとめて相談できる相手を選ぶことが解決への近道になります。課題を切り分けて個別に処理しようとすると、判断のたびに立ち止まることになるからです。 5-1.相続から売却・活用までワンストップでサポートできる不動産会社の強み 株式会社タークス不動産は、岡山市を中心に相続不動産や老朽化した空き家の取り扱いを重ねてきました。再建築不可物件、共有名義のまま放置された土地、相続登記が済んでいない実家。一般的な仲介では扱いが難しいとされる案件にこそ、私たちは価値を見出しています。 司法書士や土地家屋調査士、解体業者との連携体制を整えているため、権利関係の整理から解体、売却、活用提案までを一つの窓口で進められます。所有者が複数の専門家を渡り歩く必要はありません。 5-2.一人で悩まず、まずは物件の現状を正確に把握するための無料査定を 最初の一歩は、物件の現状を数字で把握することです。査定を受ければ、売却価格の目安や、解体費・残置物処分費のおおよその水準がつかめます。なお、譲渡所得や固定資産税といった税金の個別判断については、税理士や自治体、税務署への確認が必要になります。 岡山市で相続した空き家の扱いに迷っているなら、まずは無料査定をご利用ください。結果を見たうえで「やはり残す」という結論に至っても構いません。状況を正確に知ることが、後悔しない選択につながります。株式会社タークス不動産は、どんな状態の物件であっても、まず話を伺うところから始めます。
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2026.06.29
コラム
住宅ローンが残っている家は売れるのか。 不動産売却を考え始めた方に向けて、売却の流れや確認したいポイント、ローンが残る場合の対処法をわかりやすく解説します。 岡山で実際によくある相談事例もご紹介します。 住宅ローンが残っていても家は売れる? 「まだ住宅ローンが残っているんですが、家って売れるんですか?」 不動産売却のご相談で、とてもよくいただく質問です。 転勤や住み替え、離婚、相続などをきっかけに売却を考え始めたものの、住宅ローンが残っていることで不安を感じる方は少なくありません。 結論からお伝えすると、住宅ローンが残っていても家を売ることは可能です。 ただし、売却する際にはひとつ確認しておきたいポイントがあります。 それが「住宅ローンを完済して抵当権を抹消できるかどうか」です。 抵当権とは、住宅ローンの担保として金融機関が設定している権利のことです。 買主様へ所有権を引き継ぐためには、原則として引渡しまでに住宅ローンを完済し、この抵当権を外す必要があります。 少し難しく感じるかもしれませんが、売主様自身が手続きをすべて理解して進める必要はありません。 実際には不動産会社や金融機関、司法書士が連携しながら進めていきます。 まず知っておきたいのは、 ・住宅ローンはいくら残っているのか ・家はいくらくらいで売れそうなのか この2つです。 数字を整理することで、売却できるかどうかだけでなく、住み替えや今後の資金計画も考えやすくなります。 ✓ポイント 住宅ローンが残っていても家を売ることは可能です。 まず確認したいのは「住宅ローン残高」と「売却予想額」の2つ。 住宅ローンの仕組みを理解しておくと、売却後の資金計画もぐっと立てやすくなります。 出典:住宅金融支援機構【フラット35】「住宅ローンの基礎知識」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/info-net_00001.html 売却前に確認したい3つのポイント 住宅ローンが残っている家を売るときは、最初に3つの数字を確認しておくと状況が整理しやすくなります。 ①住宅ローン残高 まず確認したいのが、現在の住宅ローン残高です。 返済予定表やネットバンキング、金融機関への問い合わせで確認できます。 住宅ローンがいくら残っているかわからないまま売却を考えると、資金計画が立てにくくなります。 まずは現状を知るところから始めましょう。 ② 家がいくらで売れそうか 次に確認したいのが、売却予想額です。 インターネットで相場を調べることはできますが、実際の査定額とは差が出ることがあります。 岡山市や倉敷市をはじめ、岡山県内でも、不動産の査定価格はエリアだけで決まるわけではありません。同じ築年数の住宅であっても、土地の広さや前面道路、駐車スペース、建物の状態など、さまざまな条件を総合的に確認して査定額が決まります。 また、岡山は車で移動する方が多い地域のため、駐車スペースが複数台確保できる住宅は、購入を検討される方から注目されることがあります。 正確な売却価格を知るためには、相場だけで判断せず、実際に査定を受けることが大切です。 ③売却にかかる費用 売却時には住宅ローン返済以外にも費用が発生します。 主なものは、 ・仲介手数料 ・抵当権抹消費用 ・司法書士費用 ・住宅ローン一括返済手数料 ・引越し費用 などです。 そのため、「いくらで売れるか」だけではなく、「最終的に手元へいくら残るのか」まで確認しておくことが大切です。 ✓ポイント 売却前に確認したい数字のひとつが「売却予想額」です。 相場を知るには国土交通省の不動産情報ライブラリも参考になります。 住宅ローン残高・売却予想額・売却費用の3つを整理しておくと、売る・売らないを決める前に状況が把握しやすくなります。 出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」 https://www.reinfolib.mlit.go.jp/ 売却代金で住宅ローンを完済できる場合の流れ 住宅ローン残高よりも売却価格のほうが高い状態を「アンダーローン」と呼びます。 たとえば住宅ローンが1,800万円残っていて、売却予想額が2,300万円だった場合です。 この場合は売却代金で住宅ローンを完済できるため、比較的スムーズに売却を進めやすくなります。 流れとしては、 ①査定を受ける ②売却活動を始める ③買主様が見つかる ④売買契約を結ぶ ⑤引渡し日に住宅ローンを完済する という流れです。 「住宅ローンを全部返してからじゃないと売り出せないんですか?」 という質問もありますが、その必要はありません。 売却活動中に住宅ローンが残っていても問題ありません。 大切なのは引渡し時に完済できる見込みがあることです。 岡山で実際によくある相談例 過去にご相談いただいたケースでは、岡山市中区の戸建てにお住まいの方が住み替えを検討されていました。 住宅ローン残高は約1,700万円。 売却できるか不安とのことでしたが、査定の結果、売却予想額は約2,200万円でした。 住み替え先の購入費用や引越し費用も含めて整理したことで、無理のないスケジュールで住み替えを進めることができました。 売却を考え始めたばかりの段階でも、数字が見えるだけで判断しやすくなることがあります。 売却しても住宅ローンが残る場合はどうする? 住宅ローン残高よりも売却価格のほうが低い状態を「オーバーローン」と呼びます。 たとえば、住宅ローンが2,500万円残っていて、家の売却予想額が2,100万円の場合です。 単純計算では400万円ほど不足することになります。 ただ、この状態だからといって「売れない」と決まるわけではありません。 状況によっていくつかの選択肢があります。 自己資金で不足分を補う 不足する金額を預貯金などで補える場合は、通常の不動産売却として進められることがあります。 住宅ローンを完済し、抵当権を抹消できれば、一般的な売却と同じ流れで進めることが可能です。 住み替えローンを利用する 住み替えを予定している場合は、現在の住宅ローン残債と新居の購入費用をまとめて借り入れる「住み替えローン」を取り扱う金融機関もあります。 ただし、新居の同時購入が条件になることが多く、取り扱い金融機関や審査基準も限られます。 借入額が大きくなりやすいため、月々の返済が無理なく続けられるかどうかを慎重に確認しておくことが大切です。 任意売却を検討する 住宅ローンの返済が厳しくなっている場合には、任意売却という方法もあります。 任意売却とは、金融機関の同意を得て売却を進める方法です。 競売になる前に売却できる可能性があるため、住宅ローンの支払いに不安がある場合は早めに状況を整理しておくと選択肢が広がります。 ✓ポイント 売却価格が住宅ローン残高を下回っていても、自己資金や住み替えローン、任意売却など選択肢があります。まずは不足額がどの程度になるのか把握することが大切です。 実際の売却相談では、 「転勤で引っ越す予定だけど、ローンが残りそうで不安」 というご相談をいただくことがあります。 査定の結果だけを見ると住宅ローンが少し残る見込みだったものの、自己資金や住み替え時期も含めて整理したことで、無理のない形で売却を進められたケースもありました。 住宅ローンが残るかどうかは、査定を受けてみないとわからないことも少なくありません。 不安な段階でも、まずは数字を把握するところから始める方が増えています。 岡山で住宅ローンが残る家を売却するときの注意点 住宅ローン残高だけを見て「売れないかもしれない」と判断してしまうのは少し早いかもしれません。 実際の売却では、地域性や物件の条件によって結果が変わることがあります。 岡山の戸建て売却では、 ・駐車場の台数 ・土地の広さ ・前面道路の幅 ・学校区 ・スーパーや商業施設へのアクセス などが見られることがあります。 特に岡山は車移動が中心の地域も多く、駐車2〜3台可能な物件は検討されやすい傾向があります。 また、同じ築年数でも ・外壁塗装を行っている ・屋根のメンテナンスをしている ・室内を丁寧に使用している などによって購入希望者の印象が変わることもあります。 「まだ売るか決めていない」もよくある相談です 住宅ローンが残っている家の相談では、 「査定したら売らないといけないと思っていました」 という声をいただくことがあります。 実際には、査定をしたからといって売却を決める必要はありません。 現在の相場を知ったうえで、 ・売る ・住み続ける ・住み替える ・賃貸として活用する などを検討することもできます。 まずは選択肢を整理するために相談される方も少なくありません。
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2026.06.24
コラム
不動産を売却する際、「税金がいくらかかるのか」「手元にいくら残るのか」と不安に感じる方は多いでしょう。複雑なイメージがある不動産売却の税金ですが、実は「必ずかかる税金」と「利益が出たときだけかかる税金」の2つに分けると一気に理解しやすくなります。 本記事では、岡山市を中心に不動産売却をサポートする株式会社タークス不動産が、不動産売却にかかる税金の全体像と、税金を劇的に安くする「特別控除」の仕組みについて、専門用語を極力使わずにわかりやすく解説します。 1.不動産売却にかかる税金の全体像(いつ・何を払う?) 不動産を売却する際に関わる主な税金は、大きく分けて以下の2パターン(3種類)です。 1-1.売却時に必ずかかる「印紙税」「登録免許税」 売却による利益の有無に関わらず、手続き上で必ず発生する税金です。(※不動産会社に払う仲介手数料には別途「消費税」がかかります) • 印紙税:売買契約書に貼る収入印紙代です。売却価格によりますが、一般的な戸建てやマンションの売却であれば1万円〜3万円程度です。(※電子契約を利用した場合は非課税になります) • 登録免許税:住宅ローンが残っている家を売る際、銀行の「抵当権」を抹消するためにかかる税金です。不動産1個(土地1筆・建物1棟)につき1,000円です。 出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁 1-2.利益が出たときだけかかる「譲渡所得税(所得税・住民税)」 不動産を売却して「買った時よりも高く売れた(利益が出た)」場合にのみかかるのが「譲渡所得税」です。逆に言えば、損をした(購入価格より安く売れた)場合、この税金は1円もかかりません。 譲渡所得税は「所得税」「住民税」「復興特別所得税」の合算で計算されますが、最も注意すべきは「所有期間」によって税率が約2倍も変わる点です。(※売却した年の1月1日時点で判定) 所有期間 区分 税率(所得・住民税等の合計) 5年以下 短期譲渡所得 約 39.63% 5年超 長期譲渡所得 約 20.315% 出典:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁 5年を超えるかどうかで手元に残るお金が大きく変わるため、売却のタイミングには十分気をつけましょう。なお、親から相続した実家を売る場合、所有期間は「亡くなった親が購入した日」から引き継ぐことができます。 2.【重要】譲渡所得税を劇的に安くする特別控除 不動産売却で大きな利益が出た場合でも、国が用意している「特例(特別控除)」を使えば、税金をゼロ、あるいは大幅に減らすことが可能です。 2-1.マイホーム売却時の「3,000万円特別控除」 自分が住んでいた家(マイホーム)を売却する場合、利益(譲渡所得)から最大3,000万円を差し引くことができる強力な特例です。 つまり、売却して出た利益が3,000万円以内であれば、譲渡所得税は一切かかりません。所有期間の条件もなく、多くの方が利用する王道の節税制度です。(※相続した空き家を売却する場合にも、一定条件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」が使えます) 出典:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁 2-2.所有期間が10年を超えている場合の軽減税率 マイホームの所有期間が10年を超えている場合、前述の「3,000万円特別控除」とセットで使える特例があります。控除後の利益(課税長期譲渡所得金額)のうち、6,000万円以下の部分については、通常の20.315%ではなく14.21%という低い税率が適用されます(6,000万円を超える部分は通常どおり20.315%)。長く住んだ家を売る際には必ず確認しましょう。 3.不動産売却の税金を抑えるための注意点 3-1.売却した翌年の「確定申告」を忘れない 特例を利用して税金がゼロ円になる場合でも、売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に、必ず税務署へ「確定申告」を行わなければなりません。特例は自動的に適用されるわけではないため、申告を忘れると高額な税金の請求が来てしまう恐れがあります。 また、所得税は確定申告の時期に支払いますが、住民税は遅れて6月頃に納付書が届きます。「税金を払うタイミングのズレ」にも備えて、手元に資金を残しておきましょう。 4.まとめ 不動産売却にかかる税金のポイントは以下の3点です。 • 手続きにかかる税金(印紙税・登録免許税)は少額だが必ずかかる • 利益が出た時のみ「譲渡所得税」がかかり、5年超の所有で税率が大きく下がる • マイホームなら「3,000万円特別控除」で税金をゼロにできる可能性が高い ご自身がいくら税金を払うことになるのか、そして特例が使えるかどうかの正確な判断は「不動産がいくらで売れるか(査定額)」を知ることから始まります。手元に残るお金を正確に把握して後悔のない売却をするために、まずは不動産会社への査定依頼からスタートしてみましょう。 岡山市・岡山県で不動産売却や売却にかかる税金についてお悩みなら、株式会社タークス不動産までお気軽にご相談ください。正確な査定額のご提示から、3,000万円特別控除など各種特例を活用して手取りを最大化する売却プランのご提案まで、地域に精通した専門家がしっかりとサポートいたします。
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2026.06.19
コラム
親や親族から受け継いだ、あるいは長年所有してきた岡山市の古いアパート。「老朽化が進んでいて、このままでは売れないのではないか」と頭を抱えるオーナー様は少なくありません。外壁のひび割れ、雨漏り、空室の増加といった状態を前にすると、売却前に大規模修繕へ踏み切るべきか迷うのも当然のことです。 ただ、結論から申し上げると、売却価格を上げる目的での大規模修繕は、費用の回収が難しく、慎重に判断したほうが賢明です。建物の状態や買主の属性によっては、手を加えずに引き渡す「現状渡し」が有力な選択肢になります。実際、見栄えを良くしようと数百万円かけて外壁を塗り直したものの、買主が解体を前提としていたために評価額がまったく上がらなかった、というケースも起こり得ます。だからこそ、自分の手で工事を始める前に「現状渡し」という選択肢を知り、訳あり物件に詳しい専門家へ相談することが、損失を防ぐ近道になります。本記事では、株式会社タークス不動産が、修繕の要否と現状渡しの判断基準を専門家の視点で整理しました。 1.古いアパートの売却で大規模修繕は慎重に判断を 築年数が経過した古いアパートを売る場合、売却価格を上げる目的での大規模修繕やリフォームは、費用の回収が難しいケースが多く、慎重に判断する必要があります。建物の状態や買主の属性によっては、手を加えずに引き渡す「現状渡し(現況渡し)」が有力な選択肢になるためです。 理由はシンプルで、古い建物に投じた修繕費は、売却価格として戻ってこないことが多いからです。たとえば老朽化した屋根や外壁を直したとしても、買主側がその建物を長く使うとは限りません。むしろ「いくらで仕入れて、どう活用すれば利益が出るか」という視点で価格を見ています。つまり、売主が良かれと思った投資が、買主にとっては価値を持たないという食い違いが生じやすいわけです。 ただし、注意すべき例外もあります。入居者の生活に支障がある不具合や、安全上の問題がある場合は、最低限の修繕や応急対応が求められることがあります。また現状渡しを選ぶ場合でも、雨漏り・シロアリ・設備不良など売主が把握している不具合は、契約前に正確に告知し、契約書や物件状況報告書へ反映しておくことが欠かせません。告知を怠ると、契約不適合責任や説明義務違反といったトラブルにつながる恐れがあるためです。 ✓ポイント: 古いアパートの売却では、価格アップを目的とした大規模修繕は費用を回収しにくく、慎重な判断が求められます。状態や買主によっては現状渡しが有力な選択肢になりますが、把握している不具合の告知や、安全・生活に関わる最低限の対応は別問題です。工事の見積もりを取る前に、まず告知すべき点と売却の方向性を整理することが第一歩になります。 出典:民法第606条(賃貸人による修繕等)|弁護士 金子 剛 2.「現状渡し」が有力な選択肢となる3つの理由 古いアパートに修繕費を投じても、その費用をそのまま売却価格に乗せて回収するのは、実際には困難です。なぜ現状渡しが選ばれるのか、その背景には大きく分けて次の3つの理由があります。 理由 内容 オーナー様への影響 価格への反映 修繕費は査定額にそのまま加算されにくい 持ち出し損(赤字)のリスク 買主のニーズ 投資家・買取業者は解体や再生を前提 中途半端な修繕はマイナス評価 責任の範囲 告知を前提に免責特約で責任範囲を限定できる場合がある 売却後のトラブルを抑えやすい それぞれ詳しく見ていきます。 2-1.修繕費用が売却価格に反映されにくい 修繕費は、売却価格にそのまま上乗せできるものではありません。不動産の価格は、建物のきれいさよりも立地や利回りで決まる側面が強いからです。 具体例を挙げると、外壁塗装や屋根の補修に300万円をかけたとしても、アパートの査定額がそのまま300万円上がるわけではありません。立地条件や賃料水準が同じであれば、買主が見るのは「投資としての採算」であり、塗り直したばかりの外壁は判断材料の中心になりにくいのです。結果として、かけた費用を回収できず持ち出し損になるリスクが高くなります。 2-2.買主(投資家・買取業者)の目的と合致しない 古いアパートの主な買い手は、不動産投資家や買取業者です。彼らの目的は、売主が想定する「きれいにして長く使う」とは方向性が異なります。 代表的な買主の狙いは、以下のように整理できます。 • 安く購入し、自社のノウハウで効率よくリノベーションして再生する • 建物を解体し、新しいアパートや戸建て用の更地として活用する このような目的を持つ買主にとって、売主が施した中途半端な修繕は、むしろ「解体費用がかさむ」「想定したリノベーション計画が立てにくい」といったマイナス要因になりかねません。良かれと思った工事が、かえって買主の選択肢を狭めてしまう場合があるのです。 2-3.契約不適合責任の範囲を限定できるケースがある 古い建物をそのまま売る場合、契約内容によって契約不適合責任を免責、または範囲を限定できるケースがあります。とくに専門業者による買取では、こうした特約を設けやすい傾向にあります。 ただし、ここには大切な前提があります。雨漏りやシロアリ被害、傾きなど売主が把握している不具合は、事前に告知することが欠かせません。知っている不具合を隠したまま売却すると、たとえ免責特約があっても責任を問われる可能性があります。告知書や契約書、物件状況報告書で建物の状態を明確にしておくことで、はじめて売却後のリスクを抑えられます。 ✓ポイント 現状渡しが選ばれるのは、価格・買主ニーズ・責任の3つの面で売主にメリットがあるからです。修繕費は回収しにくく、買主の多くは再生や解体を前提とし、免責特約で責任範囲を限定できる場合もあります。ただし免責特約は万能ではなく、把握している不具合の告知が大前提となる点は押さえておきたいところです。 出典:民法第572条(担保責任を負わない旨の特約)|弁護士 金子 剛 3.岡山市の古いアパート売却を想定したモデルケース 現状渡しがどう機能するかは、具体的な場面で考えると分かりやすくなります。以下は、岡山市で古いアパートを売却する際に想定されるモデルケースです。対照的な2つの例から、判断のヒントを探ります。 3-1.想定ケース①:修繕せず投資家へスピーディーに売却 修繕に手をかけなかったことが、結果的に早期売却につながるパターンです。状態の悪さよりも採算を重視する買主と、うまく噛み合う場合があります。 たとえば、岡山市の中心部から少し離れた築40年の木造アパート。雨漏りの跡があり、空室も半数を超えているとします。ここで補修を一切行わず現状渡しで売り出すと、自主管理でDIYを楽しむ地元の投資家が「この価格なら利回りが取れる」と判断し、短期間で売買がまとまるケースが考えられます。オーナー様は無駄な出費を抑えたまま、スムーズな現金化を実現できる、というシナリオです。 3-2.想定ケース②:良かれと思った外壁塗装が裏目に 反対に、売却前の修繕が損失につながってしまうパターンもあります。買主の目的と、売主の判断がすれ違うことが原因です。 たとえば、岡山市内の築35年のアパートで、見栄えを良くしようと売主が自己資金で外壁塗装を行ったとします。ところが購入したのは「建物を解体して分譲地にする」目的の不動産会社。塗ったばかりの外壁は解体されてしまうため、その価値はゼロと評価されかねません。結果として、塗装費用の分だけ損をする——こうした事態も起こり得ます。 ✓ポイント 2つのモデルケースが示すのは、買主の目的を見極めずに修繕へ踏み切る危うさです。何もしなかった場合に早期の現金化につながる一方で、良かれと思った塗装が費用の丸損になることもあります。誰がどんな目的で買うのかを把握することが、判断の出発点になります。 4.「現状渡し」か「修繕」か迷ったときの判断基準 ここまで原則をお伝えしてきましたが、物件の状態や入居状況によって最適な対応は変わります。迷ったときは、次の3つの観点で自分の物件を確認してみてください。 4-1.重大な欠陥(雨漏り・シロアリ・傾き)への向き合い方 雨漏り・シロアリ・傾きといった重大な不具合がある場合、売却価格を上げる目的で全面的に修繕するかどうかは、慎重に判断すべきです。価格への反映が見込みにくいうえ、中途半端な修繕は原因の特定を難しくし、責任の所在を曖昧にすることもあるからです。大切なのは、欠陥を隠さず正確に告知したうえで売買を進めること。隠したまま売ると、免責特約があっても責任を問われかねません。 一方で、見落とせない例外もあります。入居者の生活や安全に支障がある場合、あるいは建物の状態が近隣へ被害を及ぼすおそれがある場合は、応急的な修繕や専門家による確認が必要になることがあります。 4-2.入居者の有無(オーナーチェンジか空き家か) 入居者がいるかどうかでも、対応の方向性が分かれます。生活への影響度が判断の分かれ目になるためです。 入居者あり(オーナーチェンジ):売却時点で賃貸人である間は、給湯器の故障や雨漏りなど、入居者の使用・収益に必要な修繕への対応が問題になる。建物のバリューアップを狙う大規模修繕までは不要。売却後は賃貸人たる地位が買主へ移転するのが原則だが、引渡前後どちらが修繕を負担するかは契約で明確にしておく 全室空室:現状のまま買取業者へ売る、解体を前提に土地として売る、最低限の修繕をして収益物件として売る、といった複数の選択肢がある。どれが有利かは接道状況・用途地域・解体費・土地需要・買主の想定によって変わる 入居者がいる場合に求められるのは、賃貸人として生活インフラを維持することであって、見栄えのための投資ではありません。線引きを意識しておくと判断がぶれにくくなります。 4-3.岡山市のエリア需要に合っているか 最後に、物件がどのエリアにあるかも重要な判断材料です。立地によって、評価の軸そのものが変わるためです。 北区中心部や駅・幹線道路に近いエリアでは、土地としての需要が評価されやすい場合があります。建物が古くても、土地の価値で売却を進められる可能性があるためです。ただし、同じ北区内でも接道状況、用途地域、土地の形状、周辺の賃貸需要によって価格は大きく変わります。「このエリアだから高い」と一律に考えず、個別の査定で確認することが欠かせません。郊外エリアでは投資物件としての利回りがシビアに見られるため、なおさら無駄な修繕費を避ける視点が重要になります。 ✓ポイント 判断のカギは「重大な欠陥は隠さず告知」「入居者がいれば賃貸人として必要な修繕に対応」「エリアの価値は個別査定で確認」の3点です。ただし入居者の安全や近隣被害のおそれがある場合は、応急対応が必要になることもあります。共通するのは、価格アップ目的の大規模修繕は慎重に、という考え方です。 出典:物件状況等報告書 記入上のご注意|国土交通省 5.売却前の自己判断は禁物。まずは専門家へ相談を 古いアパートの売却において、価格アップを狙った大規模修繕は費用回収が難しく、「現状渡し」を軸に検討するのが合理的です。修繕費の未回収リスクを避け、買主のニーズに合った状態で引き渡すことが、最終的にオーナー様の手元へ多くの利益を残す結果につながります。ただし、把握している不具合の告知や、安全・生活に関わる最低限の対応は欠かせない前提となります。 そして、権利関係や入居者トラブル、建物の傷み具合など、物件ごとに最適な解決策は変わってきます。「このボロボロの状態でも本当に売れるのか」「いっそ解体したほうがいいのか」と迷われたなら、費用をかけて手を動かす前に、まずは古いアパートや訳あり物件の取り扱いに長けた専門家へ相談することをおすすめします。 岡山市で古いアパートの売却にお悩みなら、株式会社タークス不動産までお気軽にお問い合わせください。現状での正確な査定と、オーナー様にとって最も負担の少ない売却プランをご提案いたします。
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